[ name ] 羽根の家
[ location ] 岡崎市羽根
[ completion date ] 2012/3
[ design ] 笹野空間設計 笹野直之 西田陽一
[ design concept ]
 敷地は南側を道路に面し間口17m奥行18mと恵まれた条件であったため、建物の配置について自由度が高く、様々な案を検討することができました。様々な検討の結果、建物を北側に寄せ南に大きく庭をとる合理的な配置となりました。

 外観は天然木を積極的に使い暖かみと深みのある表情となっています。建物の形状はゲート型の大屋根を傾け、水廻りや階段からなるコアとも言えるボックスとの間に適度な「間(ま)」を残して組み合わせました。この適度な「間」を残すことにより、光や風、視線など色々なものがこの「間」を通り抜けます。アプローチから入っていくとそこには坪庭があり、玄関扉を開けるとホールの先にバスコートが見えます。LDKの目前には大きな庭が広がり、主寝室や子供室からは空や雲が見えます。建物の至る所で外の景色や気配を楽しむことが出来ます。LDKを中心に天井は天然木の板張りとなっており、その板張りはガラスを突き抜け外部空間まで飛び出し内部空間と外部空間の境界を曖昧にしています。

 さらに基礎のボイドスラブによるクールチューブやロールスクリーンを活用した簡易ダブルスキンなどのパッシブデザインを積極的に取り込みました。ロールスクリーンを利用した簡易ダブルスキンで暖まった空気は、ロールスクリーン上部に設けられた通気孔をくぐり抜けた後、傾斜天井に沿って北側のハイサイドライトに誘われ外へと排出されます。ハイサイドライトの透明性を保つため、この部分に必要な梁は鉄骨の細い線材を組合せたトラス梁としました。

 意匠・構造・設備の連携とれた高い合理性を保ちつつ、感覚的にも心地よい住宅となりました。

[ structure ] 木造(軸組工法)
[ total floor area ] 158.98u(48坪)
[ contractor ] 誠和建設
[ photo ] 車田写真事務所