地下鉄の駅から徒歩2分という好立地ながらも閑静な住宅地に建つ、11戸の賃貸集合住宅です。計画敷地は道路から1.5ｍ程高く、この高低差をいかに計画の魅力に繋げられるかということに留意しました。1階は1ｍの段差を活かしたスキップフロアーの住戸とすることにより、床面積以上の広がりと十分な収納スペースを確保しつつ、ＬＤＫから緩やかに仕切られたベッドスペースは程よい落ち着きを持たせることができました。
　また、前面道路の幅が狭い状況の中で、周辺に対する圧迫感の少ない建物とすることを目指しました。以前、東面道路際にあった擁壁を取り除き、後退させた建物までの高さを道路とそろえることにより、道路際の窮屈さを和らげました。そして、建物を3つに分節することや4階を小さくすることにより建物のボリューム感を軽減しました。
　バリエーション豊かな住戸ではウッディなアクセントウォール、オーバル浴槽や収納できるキッチンなどの様々な工夫を凝らし、機能面の充実のみならず暮らしを楽しむことができる住宅となりました。